デジタルトランスフォーメーション(DX)推進による生産性向上、新たなビジネス創出が、企業にとって喫緊の課題であることはもはや言うまでもない。
だが実態はというと、限定された部門内でのデジタル化や単なる業務改善にとどまり、全社的取り組みが必要なDXとなると、思うように進んでいないという声も多く聞く。
その背景について、各種ICTソリューション提供によりDX推進をサポートする、オートマティゴ 代表取締役社長 天野進氏は、製造業をはじめとする日本企業のDX推進を妨げている4つの課題とITを取り巻く環境の複雑化を挙げる。
「とくに長い歴史を擁する製造業においては、継続的な運用の中での基幹システムのカスタマイズ、機能拡張などによるシステム構造の複雑化だけでなく、現場で開発を担った世代のリタイアや、そもそもレガシーシステムの仕様書に不備があるなどの問題に直面する状況にあります」と指摘。
人材不足は全産業に共通する課題だが、「“ものづくり”の現場における“熟練工不足”と同じような問題が、IT分野でも発生しています」と提起する。
外部ベンダーへの依存度が高いという業界構造もありコスト負担も増大。結果、システムの再構築がなかなか進まないケースが多く見られるという。
同社ストラテジックビジネス部 部長 矢島孝安氏は、その脱却のポイントとして「アプリケーションの多様化に対応し、効果的にアジャイルを採用し高速化・自動化を進めるなど新しい開発・運用手法へのドラスティックな転換が必要となっています」と指摘。
そこで注目したいのが「ローコード(Low-Code)開発」だ。日本ではまだなじみが薄いが、世界ではこの十数年で加速的な広がりを見せ、その開発プラットフォームが高い支持を得ているという。